イベント会場で使用するテーブルクロスなどは、防炎性能があるものを使用するよう消防法で義務づけられています。行き慣れていない広い場所に多くの人が集まり、さまざまな物品を持ち込むことは、日常以上に危険をともなうことでもあるのです。
大事なことは、防災を正しく理解し準備しておくことです。こちらでは、イベント準備に欠かせない防炎対象アイテムの内容や準備の方法についてご紹介します。
防炎ってなに?
防炎とは、燃えにくい事象のことを意味しています。
繊維などの可燃物の燃えやすい性質を改良して防炎性能を与えると、小さな火源(火だね:マッチ・ライター) を接しても炎が当たった部分が焦げるだけで容易に着火せず、着火しても自己消火性(自ら延焼拡大を停止する性能)により、容易に燃え広がることはありません。
こうした性能を「防炎性能」といいます。
出典:JFRA 日本防炎協会
テーブルクロスやカーテンのように垂れ下がっているものや、展示用パネルのように立ち上がっているものは、いったん着火すると急速に拡大し、消火や避難を困難にしてしまう危険性が高いそうです。
そこで、特に火災予防の徹底が要請される「高層建築物」「地下街」「避難困難者が多数入居する建物」、イベント会場のような「不特定多数の人が出入りする場所」で使用する物品については、防炎性能があるものを使用するよう消防法で義務づけられています。なお、防炎性能は見た目では判断できないため、防炎ラベルがついています。
では、具体的にどんな物品が防炎であると良いのか、次にご紹介していきます。
イベントにおける防炎の対象例
イベント出展などにおいては、主に次の物品が防炎の対象となっています。
- 布製ののれん、装飾幕、紅白幕等で、下げ丈がおおむね1m以上のもの
- 展示用パネル
- じゅうたん、人工芝等の床敷物
- 室内装飾のために壁に沿って下げられている布製のもの
上記のほかにも、主催者によって対象物品に含まれたり、防炎であっても使用禁止とされる場合がありますので、必ず出展ガイドで詳細を確認しましょう。
防炎(難燃)性のものを準備しよう~布製のテーブルクロス編~
いざ準備しようと思っても、どうしたら準備できるのか、お困りになる方も多いと思います。具体的にどんな準備方法があるのでしょうか。ここでは、「布製のテーブルクロス(サークル布)」を準備する場合をご紹介します。
1.手持ちの布を防炎スプレーで加工する
防炎スプレーは、ホームセンターやインターネットで購入でき、布だけでなく紙や木材などもスプレーするだけで防炎対策がおこなえます。
ただし、普通の生地を後から防炎加工した場合、布の風合いが変わったり、洗濯で加工がとれてしまうこともあるようです。また、本来の防炎製品は、審査のうえで基準をクリアしていると判定された場合にラベルの表示付けがされています。自分で加工する場合は、もちろん防炎ラベルは付きません。会場およびイベント団体によっては、防炎ラベルが必須となる場合がありますので、出展ガイドなどを必ずご確認ください。
2.クリーニング店などで加工をしてもらう
店舗によっては、持ち込みで加工をお願いすることができます。納期は1週間ほどが目安のようです(詳細は店舗までご確認ください)。
消防庁の認定があるお店の場合は、防炎ラベルを付けてもらうこともできます。ただし、1のスプレー加工と同様、普通の生地を防炎加工する場合は布の風合いが変わったり、洗濯ができなくなる可能性がありますので、ご注意ください。
3.防炎加工されているものを買う
一番安心して準備できるのは、もともと防炎加工が施されている布を購入するのことです。
オリジナルグッズ制作サービス「Canvath(キャンバス)」では、イベント出展に最適なテーブルクロス(サークル布)をオリジナルデザインで注文することができます。発注は1枚から可能で、納期は5日となっており、防炎ラベルも付けてもらえます。
装飾デザインまで個性が出せると、イベント会場でたくさん並ぶブースの中からお客様に見つけてもらいやすくもなり、一石二鳥です。
火気・危険物を取り扱う場合は事前に申請を
キャンドルなどを展示・販売する場合は、危険物に含まれますので、消防署への申請が必要です。事前に申請をして解除承認がおりると、会場への持ち込みが可能になります。申請書に関する詳細は必ず出展ガイドを確認し、忘れずに準備しましょう。
危険物の例
- ガソリン、軽油、灯油、マシン油、動植物油等消防法別表第1で定めるもの。
- 可燃性固体類・可燃性液体類:ラッカーパテ、パラフィン・ろうそくなど、東京都火災予防条例別表7備考第5号及び第7号に規定するもの。
- マッチ、火薬類:火薬取締法第2条第1項及び第2項に掲げるもの。
- 可燃性ガス:プロパン、アセチレン、水素等一般高圧ガス、保安規定で定める可燃性ガス、その他臭気を発するもの。
※スプレー缶・インク油・塗料なども含まれます。
防災の知識を持っておこう
イベントに関わるすべての方が、防災や防炎に関して少しでも身近に感じ、日ごろから防災について意識しながら行動することが大切です。これからイベント等で作品を販売する場合は、防災対策もしっかり取って、安心して参加できるように準備しておきましょう。
まとめ
- 各出展ガイドで防災に関する案内を必ず確認しよう
- 布製のテーブルクロスは防炎加工のものを用意しよう
- 事前の申請や準備を忘れずに
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