インターネットでの販売は、実物を見られない分、作品画像がとても重要です。こちらでは、「自然光」で撮影する際のコツをご紹介します。
自然光と照明(ライト)の違い
太陽の光は、照明(電気)に比べて柔らかい(優しい)光で撮影できるため、ハンドメイド作品の撮影にぴったりです。自然光なら、撮影用の照明機材を準備する手間やコストをかけることなく、ご自宅でもステキな写真が撮影できるのでおすすめです。
△ 照明(電気)
照明をつけたまま撮影すると、カメラを構えたときの手の影が入ってしまうことが多く、位置取りが大変難しくなってしまいます。また、照明によっては青味がかったり、黄味がかってしまい、写真の色味が偏ることがあるので注意しましょう。
△自然光
自然光で撮影することで、より自然な色味の写真に仕上がります。しかし、自然光だけでは明るさが足りず、作品の影が気になり全体的に暗い印象になりがちです。
○自然光&レフ板
自然の色味で撮影できるだけでなく、レフ板を使って光を反射させることで暗い部分にも光が当たるため、より明るくキレイに撮ることができます。
自然光撮影のコツ
撮影に最適な時間帯はいつ?
撮影に最適なのは、お天気が良い日の午前中です。午前中は、太陽光の色味の偏りが少なく、明るく柔らかい光で写真を撮影することができます。
午後に入り夕方に近づくと、太陽光が黄味がかっているので写真の色味が偏ってしまったり、太陽の位置が低いので影が長く伸びた写真になってしまいます。お天気や季節によって差はありますが、午前中が難しければ、遅くとも15時ごろまでに撮影を終えるようにしましょう。
お部屋の方角や窓の大きさによっても撮影に最適な時間帯は異なるので、お天気が良い日の午前中に、自然光で一番明るい場所に撮影キットを設置し、8時、10時、12時、14時に撮影してみましょう。明るくキレイに撮影できる時間帯が把握できると、作品づくりと撮影のスケジュールが立てやすくなるのでおすすめです。
撮影キットについては、こちらの記事でもご紹介しておりますので、あわせてご覧ください。
直射日光と日陰を使い分けよう
直射日光での撮影は、色飛びしやすく影が強く出てしまうので注意が必要ですが、ドラマチックな写真を撮影することができます。
日陰での撮影は、自然な色味で柔らかい雰囲気の写真を撮影することができます。
日の射し方は時期によって異なり、通年で同じような雰囲気の写真の撮影が難しいため、日陰での撮影がおすすめですが、その日の天気や作品の雰囲気に合わせてどちらが良いのか試してみましょう。
直射日光が強い時は、薄手のカーテンなどで遮光し、少し日差しを和らげると撮影がしやすくなるのでおすすめです。
上の写真での遮光には、100円ショップで見つけたシャワーカーテン(薄手のビニール素材)を使用しています。
アクセサリーやファッション系の作品のように、外で使用するものや光が反射するような作品は、直射日光を使って撮影することで、実際の使用イメージが伝わりやすい写真を撮ることができます。布や革といった素材の質感を見せたい作品は、直射日光では光が強すぎて白とびし、質感が伝わりにくくなるため、遮光での撮影がおすすめです。撮りたい写真のイメージによって使い分けましょう。
直射日光で撮影する際の注意点
直射日光での撮影は、下記のような傾向がありますので、注意しましょう。
- 影がくっきり強調される
- 作品の色が白とびしやすい
- カメラによっては全体が霞(かすみ)がかったような写真になる
- 通年で考えると同じような写真の撮影が難しい
ガラスやアクリル、レジンなど透明な素材は、直射日光で撮影すると光が透過したり、反射している様子や影が落ちることで質感が伝わり、作品を魅力的に見せることができます。
作品の素材や雰囲気に合わせて、直射日光の撮影もぜひ取り入れてみてください。
ガラスなど反射する作品の撮影の注意点
- 反射や映り込みが少ない角度を見つける
- 撮影時の洋服の色に注意(作品に写り込みやすいため、色柄ものは避ける)
ガラスや樹脂、鏡など反射する作品を撮影する際は、写真の隅々まで確認し、人影や室内の様子など『生活感』があるものが写り込んでしまっていないか確認しましょう。
光の向きを考えよう
作品の見え方は、光の向きによって随分変わります。光がどこから入って、影がどこに落ちているのか、作品の雰囲気に合った光の向きを考えてみましょう。
光の向き
- 順光
- サイド光
- 斜光
- 半逆光
- 逆光
撮影に慣れるまでは、明るくて立体感がある写真が撮りやすい「斜光」がおすすめです。
「順光」でも明るくキレイに撮れるのですが、作品の正面から光が入るため、写真に影がないことで立体感に欠けてしまったり、作品を正面から撮影する際に、自分の影で暗くなってしまうので注意しましょう。
アンティーク調やシックな作品、また食べ物や器などの作品は、落ち着いた雰囲気や食卓のような臨場感がある写真が撮れる「サイド光・半逆光・逆光」もおすすめです。
撮影に慣れてきたら、作品に合わせてさまざまな光の向きに挑戦してみてください。
角度をつけて撮影する場合は、作品の正面に光が当たる角度で撮影するようにしましょう。
作品を上から撮る際に、手元の影が作品に落ちてしまう場合は、自分の立つ位置や机の角度を少し変えてみましょう。
立つ位置や机の角度を少し変えることで、手元の影が落ちなくなり、撮影がしやすくなります。
一面採光で撮影しよう
光が2方向以上から入ってるような場所での撮影は、光が拡散してしまうので、作品を立体的に撮ることがとても難しくなります。そのため、1ヵ所以外はカーテンを閉めたりして光を遮り、1つの窓からの採光で撮影するようにしましょう。
レフ板を上手に活用しよう
自然光と合わせて、レフ板を上手に活用しましょう。
レフ板とは?
レフ板とは、撮影の被写体に光を反射させる板のことです。光を反射させて作品とその空間を明るくする効果があります。
アクセサリーのようなサイズ感の撮影用であれば、自分でつくることもできます。下の写真は、A3サイズ(297mm×420mm)ほどのダンボール2枚を見開きになるように貼り合わせ、100円ショップで買えるアルミの保冷保温シート(保冷バッグなどに使われる素材)を貼り付けて作成した例です。
作り方は動画でもご紹介していますので、あわせてご参照ください。
アルミのシート部分を白画用紙にすることで、白いレフ板にもできます。
白と銀色、どちらがいい?
白いレフ板は、反射が柔らかく、明るく優しい雰囲気の写真が撮影でき、銀色のレフ板は、反射が強く、くっきりとした写真が撮影できます。同じアクセサリーを撮りわけてみると、少し印象が変わって見えるのが分かります。
白も銀色もどちらもおすすめですが、淡い色合いの作品は、銀色のレフ板を使用すると少し色味が沈んでしまったり、白いコットンパールを使用した作品などは、白いレフ板と比べてキリッとした印象になり作品がより引き立つので、どちらが作品に合っているのか撮影前に試してみましょう。
レフ板の位置
レフ板を置く位置によって明るさや作品の見え方が変わるので、作品が明るくキレイに見える位置や角度を探してみましょう。
洋服や大きい作品を撮影する際は、大きい保冷保温シートや白い布をハンガーなどに吊るしてレフ板として使用しましょう。
曇りの日や夜は避けた方が良い?
曇りや雨の日で、光が入りづらいときは、レフ板が活躍してくれます。明るさが足りないときは、レフ板を大きくしたり、1枚ではなく2〜3枚を組み合わせてみましょう。
夜に撮影する際は、人工的に自然光を再現することになります。これは、プロでないと準備するのはなかなか難しいので、おすすめできません。機材の準備に費やす時間を考えると、天気の良い朝を狙って撮影時間をもうける方が効率的です。なかなか朝に時間を取るのが難しいという方もいらっしゃると思いますが、1ヵ月のうち、たとえば1日だけでも時間を取ってやってみる、というように、スケジュールを立ててみてください。
自然光を味方にして作品が映える写真を撮ろう
基本やポイントをふまえて撮影することで、上達も早くなり、撮影にかける時間の効率もあがります。自分の環境で、より最適な場所や時間、角度はどこかを探してみてください。
素敵な写真が撮れたら、minneで販売してみましょう。
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作品をより美しく撮影するために、簡単にチャレンジできるハウツーを下の記事でご紹介していますので、こちらもぜひご覧ください。
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