材料・レシピが揃っていて、届いたその日からつくることができる「手作りキット」の作品ページは、通常の作品ページとはまた違った視点で情報を載せる必要があります。
こちらでは、ハンドメイド初心者でも気軽に楽しめる「手作りキット」を販売する際のポイントをまとめてご紹介します。
手作りキットの作品ページに必要な情報とは?
キットの作品ページは、通常作品とまったく同じ構成にしてしまうと、やや情報不足かもしれません。なぜかというと、キットはお客様自身に作品をつくっていただく分、事前にお伝えすべきことが通常作品とは異なってくるからです。
お客様は、作品のストーリーや機能以外にも、「自分で作れそうか(もしくは子どもや友達が作れそうか)」「楽しい手づくり体験ができそうか」などを確認します。作品自体がどんなに魅力的でも、キットの場合「自分には作れないかも・・・」と思われてしまったら、購入に至らないかもしれないのです。
あなたのキットの作品ページは、お客様に選んでいただくための情報が揃っているでしょうか。次の4項目に沿って、見直してみましょう。
1.キットの内容や工程、制作時間を記載しよう
通常の作品の説明欄には、作品の大きさや用途を記載したり、魅力をお伝えするためのエピソードなどを盛り込んでいると思います。もちろん、それらもとても大切な情報です。それに加えて、手作りキットの説明欄には、以下のような内容も記載されているのが理想的です。
- キットの内容、使用する道具
- どのような作業をするか
- 難易度、所要時間など
これらを説明欄に記載しておくことで、販売者が材料や道具にこだわりを持って選んでいることや、お客様にハンドメイド体験を楽しんでもらうための工夫をしていることをアピールでき、信頼や安心感にも繋がります。
次から、各項目ごとに詳しく説明していきます。
キットの内容・使用する道具は、できるだけ詳細に書こう
キットの中にどのような材料が入っているのか、道具はあらかじめ入っているのか、説明書はあるのか、このような情報がわからない状態では、お客様は選びにくくなってしまいます。キットに入っているものや、作品づくりに必要な材料や道具は、すべて説明欄に箇条書きで記載しましょう。
お客様に用意してもらう材料や道具がある場合も、キットが届くまでの間に準備をしてもらえますので、説明欄であらかじめお伝えしておくほうが親切です。
また、お客様が子どもと一緒に作れる作品を探している場合は、説明欄に書かれた材料や道具の安全性を確認していたりもします。「お子さま向けです」「お子さまにもお作りいただけます」と書かれていても、子どもが使うにはハードルが高い材料や道具が入っていないか?がわからなければ、安心して購入することができません。そういった観点からも、材料や道具の情報は大切です。
見直しポイント
・キットに入っている材料や道具は、説明欄に記載していますか?
・お客様に用意していただく材料や道具は、説明欄に記載していますか?
制作工程を記載しよう
説明欄には「お客様にどのような作業をしていただくのか」も記載しましょう。
購入前に制作工程を知っていただくことで、実際につくる姿や作業のイメージを持ちやすくなり、ワクワクした気持ちで選んでいただけます。
また、どの段階から制作するキットなのかも忘れずに記載しましょう。
一からすべてお客様につくってもらうキットなのか、部分的に販売者がつくったものを使って仕上げるキットなのか、というのが書かれていないと、届いた後に「思っていたキットと違った…」とがっかりさせてしまいます。作品画像を見ただけでは判別できないこともありますので、説明欄でしっかり提示しておきましょう。
制作工程が多岐にわたる場合は、すべて書く必要はありませんので、メインとなる部分や、楽しんでいただきたい工程などのアピールポイントを、2~3行程度にまとめて記載しましょう。
見直しポイント
・お客様がどのような制作をするのか、説明欄に記載していますか?
・「一から仕上げるキット」なのか「パーツを使って仕上げるキット」なのかを記載していますか?
・客観的に読んでみて、不透明な部分がないかチェックしましたか?
難易度の設定と表記の仕方
制作の難易度も、購入を検討するときの判断材料になるため、とても大切です。ただし、「難易度3」「難易度★☆☆」などの表記は何を基準としているのかがわかりづらく、いまいちピンとこないかもしれません。そのようなときは、ご自身のキットごとに比較すると分かりやすくなります。
例:(作家・ブランド名)の手作りキットは難易度が1~3まであり、こちらの作品は難易度1です。
キットの種類が1~数点の方は、難易度ではなく所要時間を書くほうがわかりやすいのでおすすめです。
例:所要時間は、初めての方で〇時間程度が目安です。
例:作業が全部で6工程ありますので、作品完成まで2~3日に分けて制作いただくのがおすすめです。
見直しポイント
・制作の難易度は、お客様から見てわかりやすい表記になっていますか?
・所要時間は記載されていますか?
2.カテゴリー・作品の特徴・ハッシュタグを適切に設定しよう
カテゴリーを、キットで制作するもののカテゴリーに設定する方が意外と多くいらっしゃいます(たとえば、アクセサリーをつくるキットを「アクセサリー」カテゴリーで設定している)が、それだと少し損をしているかもしれません。手作りキットは、カテゴリーの一覧から「手作りキット」を選択して探されるお客様が多いため、届けたい方に適切に出会えるように、カテゴリーは「手作りキット」を設定しましょう。
また、作品の特徴とハッシュタグも併せて登録すると、より効果的です。手作りキット以外の検索ワードから、キットを見つけてもらえる可能性が広がります。
ハッシュタグは1作品につき5つまで登録することができます(2022年5月現在)。大カテゴリー(手作りキット)や小カテゴリー(アクセサリー、インテリア・飾り、フラワー・グリーン…など)以外の、関連ワードをタグ付けしましょう。
ハッシュタグの設定ポイント
どんなハッシュタグにしたらよいかわからないという方は、下記を参考にしてみてください。
- 素材やモチーフ、アイテムに関するハッシュタグを付ける
ミモザの刺しゅうとビーズのアクセサリーをつくるキットの場合
例:#刺しゅう #ミモザ #ビーズ #イヤリング #ピアス ・・・など - イベントに関するハッシュタグをつける
例:#おうち時間 #ウエディング #ギフト ・・・など - 対象者を絞ったハッシュタグをつける
例:#キッズ #子ども向け #初心者向け #経験者向け ・・・など
見直しポイント
・手作りキットカテゴリーに設定していますか?
・ハッシュタグは適切なものを設定していますか?
※文中のminneのサイトキャプチャはすべて2022年5月時点のものです
3.内容がわかりやすい画像を載せよう
作品と同様に、手作りキットも写真の撮り方や掲載画像の選び方がとても重要です。文字で書くよりも画像で見たほうがわかりやすい制作過程や材料・道具があれば、画像で載せるのがおすすめです。以下で、手作りキットのページに必要な4つの画像をお伝えします。
a.どんな作品が作れるのかが一目でわかる画像
作品ページの1枚目の画像は、第一印象を決める重要なものです。手作りキットでは、1枚目に完成した作品や、もう少しで完成する作品を掲載して、たくさんあるキットの中から「これをつくってみたい」「楽しそう」と思ってもらえるような、どんな作品が作れるキットなのかがわかる画像を選びましょう。
手を添えて「つくる」イメージを出そう
完成した作品が手元にあることで、「つくっている自分」をイメージすることができます。
素材・道具を置いて「つくる」イメージを出そう
FABBRICAさんのピンクッションキットは、刺繍糸やはさみを配置しています。「完成品」とあわせて材料や道具をまわりに配置することで、「手作りキット」ということがわかりやすくなっています。
b.セット内容がわかる画像
購入を考えている方は、セットの内容が一番知りたい情報です。キットに何が含まれているのかが一目でわかるよう、レシピなども含めて1枚の写真におさめましょう。
また、説明文にも必ずセット内容を記載しましょう。自分で用意するものはあるのか、どんな素材(原材料)が使われているかなどが詳しく記載されていると、安心して購入することができます。
キットの全容がわかる画像を用意しよう
この画像1枚で、レシピや図面、材料が入っていることがわかります。
c.つくる工程がわかる画像や動画
つくる際のワンシーンを切り取った画像があると、よりつくるイメージを伝えることできます。おすすめは、実際に手に取ってつくっている写真を撮ることです。
また、YouTubeなどを活用して動画を説明欄に入れると、完成作品の全貌や作業をしている手元などがよりわかりやすくなり、よりキットの情報を詳しく伝えることができます。
※動画の載せ方は「作品の登録について」をご参照ください。
こちらはCHIMNEYさんのワークショップ告知用動画です。どういった手順でつくるのかがわかりやすく伝えられています。
d.キットのおすすめポイントの画像
その他にも、制作するうえでのおすすめのポイントを写真におさめて載せると、よりキットの面白みが伝わります。
細部の仕上がりや質感を伝える
パーツからオリジナルでつくっている場合は、一部を拡大した画像などを載せるのもおすすめです。
サイズ感・使用感をイメージさせる
完成品を使っている場面や、部屋に飾ったり身に着けたりしている写真などがあると、完成後のイメージが膨らみ、つくりたい気持ちを後押しできるかもしれません。
どんな画像を手厚くすると、ご自身の「手作りキット」の良さを惹きだすことができるのか、ぜひ今一度考えてみましょう。
見直しポイント
・「どんな作品が作れるのか一目でわかる画像」は、登録していますか?
・「セット内容がわかる画像」は、登録していますか?
・「つくる工程がわかる画像」は、登録していますか?
・「キットのおすすめポイントがわかる画像」は、登録していますか?
4.自分の作品と技術を守るために利用範囲を明記しよう
手作りキットの販売は、少しヒヤリとする言い方をすると「作品のつくり方を第三者に公開する」ことになります。キットの中に独自で考えたデザインや手法・技法が含まれる場合、著作権を放棄しない方や商用利用を不可にしたい方は、作品と作家・ブランド自身を守るためにも注意書きを添えておきましょう。
例:こちらのキットは個人で楽しんでいただくことを目的としています。
キットでお伝えするつくり方やデザインを模倣した作品販売はご遠慮ください。
例:作家の許諾なく説明書を複製すること、またSNS等で公開する行為はお控えください。
注意書きは、文字数に余裕があれば目に留まりやすい作品説明欄、もしくは「購入時の注意点」欄に記載しておきましょう。キットの説明書にも同じ注意書きを載せておくのをおすすめします。
見直しポイント
(必要な場合のみ)・著作権や商用利用についての注意書きは記載しましたか?
選ばれやすいページに整えて販路を広げよう
minneには、クオリティの高いハンドメイド作品を購入したい方はもちろん、「自分でつくってみたい」と思っている方もたくさん訪れます。ぜひオリジナルのキットですてきな体験をお届けするとともに、活動の販路を広げてみてください。
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