こちらでは、ハンドメイド作品を販売してみたいけれど「何を売るか決められない」という方に向けて、ショップの方向性や考え方のアドバイスをお届けします。
何を売ろうか迷ったら
初心者の方から多く寄せられるお悩みは、「つくることが大好きで、いろいろなジャンルの作品をつくっていて、どれを売ればいいのかわからない」という内容です。
売り方のビジネス本の多くは「作品ジャンルを絞ったほうが売りやすい」と書かれていますが、ここでの「売りやすさ」とは、「宣伝活動のしやすさ」を指しています。作品を公開しただけでは、販売にはなかなか繋がりません。売上につなげるためには、宣伝が大切です。売る作品によって宣伝活動の幅も変わりますので、その点を念頭に置きながら、何を売るかを考えてみましょう。
次の3つの作品をつくっている方を例に挙げます。
- クラッチバッグ
- 布花のモチーフのついたヘアゴム
- 花柄のスマートフォンケース
この方は、つくりたいアイテムのアイデアが湧く度に、作品の種類を増やしていましたが、こんな悩みに直面します。
「私はクラッチバッグ専門の作家になったほうがいいのか」
「それとも、何が売れるかわからないから、このままいろいろつくり続けたほうがいいのか」
この場合、どちらが正解ということはなく、どちらの方法でも作家としては成り立ちます。実際に、どちらのパターンでも活動されている方はたくさんいます。では、選択する方によって何が違ってくるかを次でご紹介します。
特定のアイテムに絞る場合
特定のアイテムに絞って制作をする場合は、「売り方を考える際に作戦を立てやすい」というメリットがあります。
例に挙げた方がクラッチバッグ専門店にしようと考えた場合、ビジネス目線で「クラッチバッグをつくっている作家が少なく、●●な雰囲気の20代後半女性をターゲットに、この市場でシェアを●%獲得すれば勝算がある」といった作戦を立て、目標に向かって生産数を増やし販売していく、という方法もあります。しかし、「売れるかどうかわからないのに…」という不安が先立ってしまい、マーケティング戦略が立てられなかったり、ペルソナ像をしっかり打ち出せないと「まったく売れない」ということにもなりかねません。
ここで、そもそも「これまでつくってきたアイテムの中で、クラッチバッグをつくることが一番すきかどうか」という疑問も現れます。実は、クラッチバッグにはあまりこだわりがなく、なんとなくつくったことがあるからという動機の場合は、つくっていくうちに飽きてしまうケースがあります。クラッチバッグにはさほどこだわりはなく、実はポイントとしてあしらっている刺繍に思い入れがあった、というケースもあるかもしれません。
アイテムを絞った結果、制作の楽しみが減ってしまい、作家活動を続ける意欲をなくしてしまう状況は避けたいところですので、初心者の場合は「つくっていて一番たのしいアイテム・技法を選ぶ」という選択でもよさそうです。
さまざまなアイテムを制作する場合
「気の向くままにハンドメイドを続けてきたので、アイテムがどんどん増えてしまう。このまま売っても大丈夫か」というご相談も多くいただきます。たしかに、「気の向くままにつくったもの」をただショップに並べるだけでは、それぞれの作品の良さが伝わりづらく、購入者からは「何でも屋さん」に見えてしまって、購入意欲を沸かせることができない、というケースに陥りがちです。
ここで、鍵となるのが「どんな購入者に買ってほしいか」です。
作品を使っている人物を想像してみよう
制作しているアイテムを持っている芸能人やご自身のお友達など、似合いそうな人物を想像してみてください。架空の人物でもOKです。この時に、『布花のヘアゴムを使ったまとめ髪の女性が、クラッチバッグを持っている。左手にもったスマホには花柄のケースがかかっていて、女性の雰囲気に合っていてとてもかわいい。』といったように、自身の制作する複数のアイテムを一人のお客様が使うシーンを想像してみましょう。
さまざまなジャンルの作品をつくっていても、それを購入してくださるお客様の人物像を想像したときに、それが「1人」で完結しそうであれば、特定の趣味趣向のお客様に向けた宣伝活動に注力できるため、1つのブランドとして確立しやすい、と考えられます。
1人の人物像では完結しない場合は?
それぞれの制作物のテイストがバラバラの場合、1つのブランドとして販売するには、いろいろなタイプの方に向けた宣伝をしなければなりません。
minneは、一人の販売者が複数のショップを登録いただけます(その場合は、アカウントごとに別々のメールアドレスでご登録ください)ので、アイテムによってショップを分けて販売する方法もありますが、管理や宣伝活動が煩雑になってしまうため、初心者は1つのショップ内で展開する形をおすすめします。
20代後半女性向けのクラッチバッグと、子ども向けのヘアゴムが1つのショップに共存していたとして、それぞれの作品が宣伝できており、お客様がついていて順調に販売ができていれば、特にショップを分ける必要もありません。ご自身が売上に納得ができていれば、そのままで良いのです。
目安としては、月の売上目標が5万円前後であれば、1つのショップで良さそうです。
月5万円以上の売上があり、「もっと売りたい」という考えになった場合は、「クラッチバッグ」や「ヘアゴム」といった作品のジャンルごとにそれぞれショップを分けて、SNSを活用する場合は宣伝用アカウントも分けて、より一層お客様との密なコミュニケーションを図る、という方針転換をするのも良いと思います。
まとめ
販売する作品は、1つのジャンルに絞っても、絞らなくても大丈夫です。何を売ろうか迷ったら、未来のお客様を想像したうえで、どのように宣伝していくかを練ってみましょう。売上が伸びてきてから「売り方」を考え直すのもありかと思います。
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