ネット販売を始めたばかりの方は、「自分の作品は本当に売れるのか?」「作品を知ってもらうにはどうすればいいのか?」といったお悩みをお持ちの方も多いと思います。
こちらでは、そのような不安な気持ちをお持ちの方に向けて、目標を立てることの大切さについて解説していきます。
売上を伸ばしている作家が行っていること
販売実績がまだない作家さんは「楽しくつくった作品がいつの間にか在庫の山になり、途方に暮れることになってしまったらどうしよう」というように、うまくいかないイメージばかり想像してしまうこともあるかと思います。そこで、売上を伸ばしている方はどのようなことをしているのかをご紹介します。
売上を伸ばしている作家さんは、次のようなことができています。
- 売上目標を立てている
- 目標に向かって課題に取り組んでいる
目標を立てると、少しの数字の変化にも気づきやすくなり、より目標達成に向けて前向きに考えられる、というメリットがあります。
逆を言えば、売上目標を明確にしていないと、「もっと売りたいのに…」「なんとなく忙しく過ごしているけれど手元にお金が残らない」といった課題に直面した時に、どう対処してよいかがわからなくなってしまいます。とはいえ、なんとか販売活動は回るので、そのまま忙しい日々を過ごしてしまう、というループに陥るケースがよく見受けられます。
目標を立てることを怖がらない
目標を立てる時に「達成しないと恥ずかしい」という思いから、なかなか前向きに取り組めない方もいます。目標は、他の人に公開する必要は一切ありませんので、達成しなくても誰かに知られたり責められたりすることはありません。
ハンドメイド作品をつくり、その利益を得ることに後ろ向きにならず、ご自身が手にしたい利益やライフスタイルに正面から向き合いましょう。
人気作家になりたい!売れたい!はたしてその実態は?
人気作家がどのようにして売れるようになったのかを知りたい方も多いと思います。では、「人気作家」とは、どのように「人気」な方のことを指しているのでしょうか。
「人気作家」の人物像の例
- 1点物の作品を月に何度か販売していて、Instagramに販売告知をするといつも数分で売り切れる
- X(旧Twitter)で活発に情報発信していて、固定のファンがたくさん居る
- minneのランキングや特集にたびたび登場していて、コンスタントに販売イベントにも出展している
こういった作家さんの売上規模を考えてみましょう。
1の方は、作品単価が1万円以下であれば、月の売上は3~5万円程度と推測できます。
3の方は、minneだけで月に数十万円以上の売上がありそうです。
このように、皆さんが思う「人気像」には、売上規模にかなりの幅があります。大切なのは「人気かどうか」ではなく、ご自身が納得して活動しているかで、この規模からもっと売上を伸ばしたいのか、もしくは現状維持したいのかによって、これからやっていくべきことは大きく変わってきます。
目標は、みんな一律ではありませんし、金額だけで計れるものでもないということが、このことからもわかると思います。
長期計画を立ててみよう
直近の売上目標が検討もつかない場合は、将来のざっくりした目標を考えてから、逆算して毎月の目標を立ててみると考えやすくなります。
多くの固定ファンがついているハンドメイド作家さんも、最初はファンが0人からスタートしています。1年後にどうなりたいか、3年後も作家活動を続けていたいのか、それぞれのライフプランとあわせて考えてみましょう。
たとえば、育児をしながら作家活動を始めた方の場合は、当面は時間のやりくりが大変かと思いますが、お子さまの成長につれて制作時間の確保がしやすくなっていくことは確実です。今できる範囲での活動目標とあわせて、お子さまの成長に合わせた長期的な計画も立ててみると、将来の作家活動の可能性が見えてきます。
売上に波があるのは普通のこと
毎月一定額の売上を得るのは、実はものすごく難易度が高いことです。作品が求められる季節には、オンシーズンとオフシーズンがありますし、大規模なイベント出店を控えている時期などは、売上のコントロールが難しいケースもあります。
最初は、一年を通して売上が●円、月に平均すると△円、といった考え方でも充分です。また、クリスマスのような販売機会が増えるシーズンに多くの売上を確保できるよう、在庫数を調整して準備する、という方法もおすすめです。
自分が望む目標をしっかり立てて、それを達成するために地道に活動することが、モヤモヤした悩みを解消するには不可欠です。
1ヵ月あたりの売上目標を決めよう
「何個売れるのか想像もつかないから、目標の立て方が検討もつかない」と思われる方もいらっしゃると思います。目標を決めるにあたって、最初に把握しなければならないのは、「1ヵ月あたりに確保できる制作時間」です。ここで注意しなければならないのが、1ヵ月の時間から生活に必要な時間を差し引いた時間=制作時間にしてはいけない、ということです。休養の時間も必要ですので、制作時間以外の自由な時間も加味して、決して無理な計画は立てないようにしましょう。
制作時間が算出できたら、その時間内で何点の作品をつくることができるかを計算してみましょう。
「いくらの作品」を ×「何点」販売したか = 売上金額
- 1ヵ月に確保できる制作時間は何時間?
- 1ヵ月に制作できる作品数は何点?
作品が完売したときの売上金額を把握しよう
つくった作品が順調にすべて売り切れるというのは、なかなか難しいことですが、そうなった場合の「売上金額」はぜひ計算してみてください。
「全部売れたのに、これだけの金額にしかならないな」と思ったら、価格設定を見直すか、制作個数を増やすかのどちらかを考えなければ、売上目標は達成できません。
ここで大切なのは、「やった!次も制作をがんばろう!」と思える価格設定になっているかです。
あなたの作品の"魅力"とは?
ここで安易に「もうちょっと売りやすく、制作時間と価格を下げた作品に変えよう」と思ってしまうと、大変危険です。つくりやすいもの・売りやすい価格帯というのは、誰もが考えつくことです。
まだ出会ったことのない未来のお客様は、作品のどんなところを気に入って購入してくださるのでしょうか。「みんなはこれが好きそう」と思ってつくったその作品があるとしたら、その「みんな」とは一体誰でしょうか。この「みんな」に惑わされる作家さんはとても多いです。
よくわからない「みんな」のことを手探りで探すよりも、まずは、「自分はこれがかわいいと思う!」という自分の表現を追求した作品づくりをしましょう。自分用につくって身に着けている作品が、実は一番魅力的、ということもよくあります。
次に、完成したものに対して「同じ好みの方を探して、その方へ向けて宣伝していく」という手順が、初心者にとっては販売作戦を立てやすい方法です。「自分に似たみんな」に、何を伝えれば作品の魅力を理解してもらえるのかを考えてみましょう。
将来なりたい自分の姿を想像しよう
ここまで読んでいただければ、目標を立てることは大切だということが伝わるかと思います。作家の数だけ目標のパターンがありますので、漠然とした成功事例に惑わされずに、将来なりたい自分の姿を想像しながら、自分が制作可能な数と販売数をシミュレーションして、目標を立ててみましょう。
販売を開始したばかりのころは、売り方がわからなくて不安が多いのは当たり前のことです。自分の目指す方向性をしっかり見据えて、できることから一つずつ着手していきましょう。
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